7月7日はオーストリアの大作曲家、G.マーラー(G.Mahler)の生誕155年目の記念日でした。
マーラーの音楽(交響曲と声楽作品に不朽の名作を創作)からは、強く「自然の声」を聴くことができます。
夏の交響曲といえば第3番が有名ですが、私は第7番こそが「夏の交響曲」だと感じています。
大学に入ったばかりの夏休みに、霧島連山(九州南央部の山々)の縦走登山に行ったことがあります。
人の入り込んでいないけもの道、降雨により流れ落ちた大量の雨が作り出した水の道に朽ち果てて倒れている老木。木漏れ日や鳥の鳴き声。
乾いた喉に、丸かじりしたレモンが染み渡るほど美味しかったことを今でも覚えています。
その自然の荒々しい肌触りとエネルギー、畏敬や祈りを感じさせる風景。
マーラーの第7交響曲、特に第1楽章を聴くといつもあの大自然が私の前に蘇ってきます。
なぜかは説明できませんが、私の中では夏の霧島の大自然とこの交響曲が完全に結びついてしまっているのです。
マーラーの作曲家としての創作過程の中では、中期の充実した作品群に分類されるこの作品。
惜しくも昨年1月に逝去された真にマエストロの名にふさわしいクラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団との極上の演奏は、この作品の演奏史に残る名演だと思います。
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